術後5日目ーー世の中、そんなに甘くない・・・
今日は土曜日なのでリハビリ室は午前中のみ。
午前のリハビリメニューは・・・
・病棟でのCPM 伸展0度 屈曲120度
・マッサージ
・膝蓋骨動かし
・下腿内旋EX
・ヒールスライド
・膝裏伸ばし 1.5kg重しつき
・Quadsetting 電気刺激あり
・Quadsetting 電気刺激なし 50回(と言われたが100回やってる)
・足上げ 正面 横 各20回×3セット
・クォータースクワット 20回×3セット
・その場足踏み 20回 + 蹴り出し 10回 歩行訓練 ×4セット
屈曲は110度を超えているが、伸展がPTの先生のお気に召さないので、相当、伸展のためのメニューが入っている。
伸展は、まじ、きつい。
そのほか、右足首を曲げるためのメニューも追加。
どんどん追加される。
ラーメンのトッピングみたいな感じ。
いっぱい盛ってあって、食べきれませんよ。
病室に帰ると、倒れるまでいかないが、結構な疲労感・・・
午後もこれに沿って自主トレ。
リハビリ室では約3時間かかるけど、自主トレだと約2時間半。
30分の差はPTの先生によるマッサージや、屈曲の計測、私独自のメニューのせい。
リハビリで徹底的に伸ばしまくっている膝の裏側の筋肉と筋が、疲労で痛いようなだるいような・・・
こいつが諸悪の根源で、膝が内側に入る。ほぐしていくと下は足首へ、上はL1S5の椎間板へと繋がっている。
両方とももう痛くなかったのに。
微妙なバランスの崩れは、やはり、昔の古傷のせいなんだ・・・
しっかりほぐしかたとバランスの戻し方を教わらねば!
マスターズは、転んでもタダでは起きませんよっ
火曜日には退院できるかなー、と思っていたけど、先生に「それは早すぎるからダメ」と言われてしまったよ。
世の中、そんなに甘くなかった。
でも、とにかく、このクセを撃退せねば!!
術後4日目ーーテロにも負けず
昨夜のテロにより瀕死状態で眠剤を服用。
起死回生の朝。
マスターズリハビリシリーズ再開。
四日目に突入です。
午前のメニュー。
●病棟CPMで伸展0度屈曲100度。
●マッサージ テトラ と U字棒
●膝の曲げ伸ばし 5分×3回
●quadsetting 50回
●quadsetting 電気刺激あり 手ぬぐい足伸ばし 10分
●quadsetting 50回
●足あげ(正面) 10回×3セット
●足あげ(横向き) 20回×3セット
●膝左右の柔軟性回復練習とアキレス腱伸ばし 20回×2回
●ハーフスクワット 20回×2セット
●その場足踏みと歩行3周 ×4セット
午後は
●マッサージ テトラ ボール U字棒
●膝左右の柔軟性回復練習とアキレス腱伸ばし 20回×2回
●リハビリ室でのCPM 伸展0度屈曲105度 30分
●膝の曲げ伸ばし 5分×3回
●quadsetting 50回
●quadsetting 電気刺激あり 手ぬぐい足伸ばし 10分
●足あげ 正面 横向き 各20回×3セット
●マッサージ
●ハーフスクワット 20回×2セット
●その場足踏みと歩行3周 ×4セット
屈曲は110度、伸展はほぼ0度。屈曲がコンスタントに120度出れば退院できるらしい。
明日、120度クリアすれば、退院できるのか?
えっ、早くない???
本当に50代半ばか、私???
今日は新しい発見があった。
どうやら足にくせがあって、そういうつもりはなかったのに、膝が内に入りやすいらしい。
クライミングではどうしてもキョン足をするので、内側に入り気味なのだが、常日頃気をつけていなかったので膝の柔軟性が失われて、左右へ曲がる柔軟性がなくなっていたらしい。
これを矯正するメニューを追加してもらう。
驚いたことに、右足が外に流れる癖がほとんどなくなった。
さすがプロの指導だ!
そして、私自身もいろいろ工夫してみた。
リハビリも自ら小さな工夫を積み重ねて僅かでもプラスに持っていけると思う。
私は地味だけど、一回一回の動作に注意を集中し、伸展の時には特に力をいれて伸ばすように意識している。
そして呼吸。
腹式呼吸を意識し、伸展や屈曲の最大角度がきた時には息を吐ききるようにしている。
アイシングの時には、肩甲骨周りをほぐしたり上半身のストレッチを入れる。広背筋を維持できないまでも、少しでも筋肉を保存したい。
座っている時にも、お腹に力を入れ、背骨をまっすぐにして腹式呼吸を意識する。
ずっと力を入れていると疲れるから、気を抜くこともあるけど、気づいたら、細かいアラインメント動作に注意する。
直接膝には関係なくても、しっかり意識して身体のバランスを整える。
こうして午前みっちり2時間半、午後もみっちり3時間のリハビリが終わった。
担当のK先生に、見舞いなどの予定を聞かれたので、「お見舞いは基本的に断ってます、リハビリに専念したいから」と答えた。
K先生も「お見舞いが多いと、リハビリが進まないんですよねー、17時過ぎとか日曜日とかならいいんですけど」と言う。
17時過ぎの病院テロも防止していただきたいのですが、と心の中で思った私です・・・
シャバに戻ったら、ここまでリハビリに専念できないしね。
しかし、今日リハビリ室で話したアラフィフ女性は今回が4回目の前十字靭帯再建手術だという。
高校生でバスケットをしていて2回手術し、20代で1回、その後再び断裂、そのまま放置してスキーなどを続けていたら、半月板がなくなってしまい、おかしな骨ができてしまったのだそうだ。痛くて歩けなくなり、4度目の手術となったそうだ。
ないはずの骨ができる?!
今回はU先生執刀で、半月板と前十字靭帯再建を同時にしてもらい、今日で術後10日めとのこと。屈曲が出なくて苦労していたが、無理もないと思うよ・・・
彼女は、思いっきりスポーツしたい、と悶々としていた・・・
改めて、手術する先生の技量が問われるのだと思い知らされる。
はっきり言って、必死です、私たち。
閑話休題ーーお見舞いおばさんによるテロ攻(口)撃
リハビリから帰って、シャワーも浴び夕飯が済んだ頃、テロ攻撃が始まった・・・
おばさんスナイパーから発せられる約2時間の容赦のない口撃によって、私は(知りたくもない)その人たちの家族構成、出身地、私生活の諸問題をすべて把握する羽目に陥った。
こうした病院テロは、運が悪いと巡り合う。
地味にきついリハビリに専念したいから、平日は相方にも来なくていい、と言っているくらいなのに、他人の身の上話や言い争いに発展しかねないやり取りにハラハラしながら、静かに隣で息を詰めているしかなかった。
だって、どこに避難するんですか。
リハビリの後は足を挙上して、アイシングするんだから・・・
なんとなく腹が立って、今日はなかなか寝付けない。だって連日いろんなおばさんが入れ替わり立ち代りテロを仕掛けてくるんだもん。
それなのに口撃スナイパーのひとりは結構ないびきをかいてるし。
今日の作戦大成功、とかの夢でも見てるんだろうか。
仕方がないからPC持ってディルームにやってきた。
この次は個室に入ろう・・・って、手術はもう二度といやだけど。
この次がないんなら、明日にでも個室に変えてもらおうかな。
他の人がどう考えているのかはわからない。
しかし、私は休息している間もリハビリだと思っている。
身体の使い方を考え、同じリハビリでも、少しでも効果をあげられる方法はないかと考えている。
たとえ、僅かでも・・・
だから、病室にいる間も、貴重なリハビリ時間なのだ、と思っている。
でも、そうは考えない人も多い、ということだ。
病院なんだから、見舞客も少しは配慮すべきなのではないか、とマスターズは思うよ。
術後3日目
マスターズ(高齢者代表)リハビリシリーズも3日め。
朝、Y先生の回診で、テープ交換があった。腫れも少なく良好。
屈曲は100度、伸展は7度。
メニューは
●病棟でのCPM 伸展7度屈曲90度 30分
●膝の曲げ伸ばし 5分×3回
●quadsetting 50回
●quadsetting 電気刺激あり 10分
●足あげ 5回×6セット
●ハーフスクワット 20回×2セット
●その場足踏みと歩行3周 ×4セット 松葉杖が両方取れた
午後は
●病棟でのCPM 伸展0度屈曲95度 30分
●膝の曲げ伸ばし 5分×3回
●quadsetting 50回
●quadsetting 電気刺激あり 10分
●足あげ 10回×3セット
●マッサージ
●ハーフスクワット 20回×2セット
●その場足踏みと歩行3周 ×4セット
屈曲は朝95度だったが午後には100度を超えた。
午前中のリハビリで松葉杖なしで歩いていいというお許しがでる。
でも、不安な時は片松葉、使ってね、と・・・
やはり、リハビリのキモは入院中だという。そこで大体の方向性が見えてくるらしい。
★ ★ ★
リハビリ中にI先生がいらしたので、挨拶する。
覚えてるかな、私を。
いや、絶対、覚えている。
大騒ぎだったもん、あのときは。
でも、I先生は紳士だから、おすまし顔。
「ああ、U先生が言ってた患者さんね、前に僕が手術して、今度はU先生に膝をやってもらった・・・」
そうそう、そのドジな患者でございます。
「その節はありがとうございました」
本当に助かりました。
でも、あのとき、ストレッチャーに寝たまま、起き上がることはおろか、体を動かすこともできずに死にそうな私に、「そんな怖いものを見るような顔で僕を見ないでよっ」と叫んだのもこの紳士なのだが・・・
いやいや、怖いものを見るような顔で見ているのではなく、痛みで顔が歪んでいるのでございますよ・・・と言おうにも声も出せなかった。
どっちかっていうと、「神様助けて」モードだったんだけどなあ。
★ ★ ★
同じリハビリのアラフィフ女性3人と知り合いになる。
私もアラフィフと言いたいところだが、もう無理なんだね。
アラカンですよ、次は。
一人は私の直前に手術した人、もう一人は9日目、あと一人は先週の月曜日手術だから10日目ということになる。
年齢ネタが多くなるが、この3人も前十字再建手術は40代以前の話と言われて、手術してくれる病院がなかなか見つからなかったそうだ。
病院をはしごして遠回りして時間がかかってしまったらしい。
その間、膝崩れがなければいいのだが、繰り返すようだが、とにかく半月板損傷が怖い。
Mindsガイドラインによると、高齢でも運動を続けている人には前十字再建手術も良い結果が出ているそうで、71歳の例があったし、今後はどんどん高齢化対応していくことになりそうだというコメントがあった。この病院では、何歳まで可能なのか、機会があったらU先生に聞いてみよう。
正直言って、医療の質は地域と病院に左右される。私の母親などは神奈川県在住だが、老人だからと言ってまともに取り合ってくれない病院しかないという。
東京の隣なのに・・・
あまり文句を言うので、東京に連れて来て、老人診療科のある大学病院に連れていって、いろいろ検査をしてもらった。
その結果、「血液検査の針も一発で通るし、説明も丁寧だし、あちこち全部見てくれた」とご満足いただけたようだ。診断は、足に動脈瘤ができかけているために不調が現れたとのことだった。まあ軽微な不調でよかった。
都内にはこういう特定機能病院がいくつもある。
紹介状がないと初診料に上乗せされるが、それくらいの支出で躊躇する程度の不調なら特定機能病院にいく必要もない。
ちなみに私の入院している病院は特定機能病院ではないので、普通の診療報酬しか請求されない。
やはり、医療も人間のすることだから、病院も医師も積極的に選ぶ時代になった。それをここでは先取りしているようだ。
日本では医療に関しては、健康保険が肩代わりしてくれる額が大きいので、みんな平等に医療を受けられるから、情報を集めて積極的に病院を選択するメリットは大きいと思う。
どの病院でも、同じ診療報酬しか請求されない、わけだから。
それだったら、いい病院、腕のいい医師に診てもらった方がいい。
ちなみに、アメリカは請求される額が医師や病院によって全く異なる。まさにお金で医療を買わなくてはならない。オバマケアも無くなるし、今後その傾向はもっと強まるだろう。
できれば、日本では、そうした側面はまねして欲しくない。
もう、これ以上アメリカ化するのは御免被りたい。
術後2日目
本格的なリハビリが始まった。
まず朝は採血から。
10時にはリハビリ室へ。CPMで伸展7度屈曲80度クリア。これは術後一週間は90度以上になってはいけないそうだ。
余裕はあったけど、様子を見る。
膝の曲げ伸ばし、5分×3回。セット間にアイシング。
術後一日しか経っていないとは思えない、とのお言葉。みんなにいってるんじゃないかなと思ったけど、そうでもないようだ。
quadsettingも50回。アイシング。
その場足踏みとスクワット、室内歩行3周。
ときどき、動画を撮っている。他の社会人の動画は撮ってなかったから、やはり高齢者ということで抜擢されたみたい。
喜ぶべきか、悲しむべきか。
ここは素直に悲しむべきなのかも。
やっぱり、精神年齢と実年齢が一致してないのは困るよね。
さて、リハビリ2時間でランチ。
お腹が空いて、相方が持って来てくれた甘いお菓子を食べてしまう。このところ、中性脂肪が高いので、甘いものは厳禁なのだが・・・
まあ、いいや。
午後もリハビリ、頑張るし。
午後はサクッと洗濯を済ませてから、CPMに30分。屈曲は90度まであげる。
K先生、かなり念入りにビデオ撮影している。
その後、午前と同じメニューをこなし、プラスして歩行時間を増やし、16時終了。
松葉杖も片方でOKになった。
同じ日に手術したと思しき、私より若いおばさんがまだ両松葉杖のままだったから、同じ年代の人たちに比較すると、やっぱ優秀でしょ、わたし。
と書いたら、K先生が松葉杖を持って来た。
「明日の朝はあそこまで動けないんじゃないかと思うから」
それもまあそうかも。ご親切にどうも。でも、高齢者代表として、精進します。
(横綱風に言ってみた)
リハビリ室では、他にも若者がアジリティーをあげる練習をしている。
あれくらい、時期が来れば、わたしもできるもんねー
3ヶ月後にはガンガンいきますからねー
今日の最後はレントゲン撮影。
そしてシャワー解禁。ご機嫌な夜。
手術翌日
手術前の点滴の針刺しが一回で決まらず、3人看護師さんが代わる代わるトライ。これが失敗すると痛い。青あざになる。呼ばれるギリギリになってようやく針が入り、急いで手術室へ。
・・・・・
手術は12時過ぎには終わったらしく、12時半には相方が呼ばれたという。
麻酔が覚める頃に、ああ、もう起きるのか、まだ寝ていたい、と思った。
病室に帰るストレッチャーの音も夢うつつ。
電気毛布で包んでくれているので、寒さもなかった。
しかし、ここからが、一番の山場。術後24時間は、どんな手術でも辛い。
その24時間が始まった。
部屋に帰ってから、夜寝る前、そして夜中の2時、痛み止めの点滴を三回使い、もう時間を空けなければこれ以上は点滴を使えないので、朝は座薬を入れてもらう。
膝の痛みよりは寝返りを打てないので、腰が痛くなるのだ。そっちの方が辛い。
夕飯はゼリーのようなものとみかんを食べた。
朝ごはんは8割ほど食べたが完食ならず。
朝食後、Y先生がやってきて、ドレインを引き抜く。
一瞬のことだが、これが痛い!!
だが、ドレインがなくなるとぐっと楽になった。
処置の間、自主的に右足をずっとあげていたら、Y先生的にはお気に召した様子。
痩せても枯れても(痩せてもいないし枯れてもいないが)、クライマーの意地ですな。
ここで意地を見せて、どうする・・・
そして尿道の管も抜く。これは、松葉杖でトイレにいけるようになったから。
万が一のための点滴の針だけは残っているが、あとは自由になった。
さて、トイレへの松葉杖歩行ができると、リハビリのK先生がやってきて、「歩いているところを撮らせてください」という。かなりいい動きだと、自分でも思う。
撮影会、開始。
動画アップしてくださいよ〜
もう少し、痛そうに歩いてもいいくらいだ、と言われる。
痛くないわけじゃないけど、そんなに痛くはない。
撮影会、無事、終了。
お昼は完食。
午後はCPMという機械で30分間足の曲げ伸ばし。伸展15度屈曲60度で、屈曲は余裕。伸展の方が辛い。
足には装具がついていて、歩くときはそれをつける。
ベッドでは膝を冷やす機械をつけている。
夕方、相方が来てくれて、つかの間の歓談。
魔の24時間が終わり、今日はゆっくり眠れそう。
手術日
朝6時起床。
水は7時まで。
OS-1を2本1000ml飲んだ。
8時半過ぎから、麻酔の先生がいらして、全身麻酔はどういうものか、どういう危険があるか、どういう器具を使うか、私に固有の問題(腎機能)についての説明を受ける。
とてもよくわかりました。
もうお任せです。
Y先生が右ひざに矢印を書いて患部を確認。
薬剤師さんからも説明を受ける。
PTのK先生が膝の状態、筋力などをチェック。「社会人の人にはお願いしている」とのことで、リハビリの際の動画を撮っていいか、聞かれる。ホームページに載せてくれるらしい。もちろん、顔は出ない。
私はピンときた。
社会人全員対象ですか?
ホントですか?
K先生の笑顔からお察しして、「年齢が50代半ばなのに前十字再建手術を受けて、こんなによくなります、という見本になるといいですよねー」というと、にこやかに、そうそう、と頷かれた。「このくらいの年代だと、もういいや、って諦めてしまう方も多いらしいんですよ。この病院の先生方はそういう人に諦めて欲しくないと考えているので」とのこと。
ほらね。
そういう見本にはなる。
私自身、気持ちが若い、ということもある。
でも、私の周囲はもっと気持ちが若い人たちばかりだ。
しかし、気持ちばかりでなく、いろいろ調べて、「まだいける」と思えたのだ。
幸い私は毎年骨密度も調べていて、年齢平均では120%、20歳平均に比較しても110%の骨密度が維持できている。
まだ、いける、でしょう。
リハビリ、受けて立ちますから!
動画もアップしてもらえるよう、がんばります。
手術着に着替えて、もうすぐ点滴も始まる。
いってきま〜す。